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. 2017-02-01 聖杯戦争 閉幕 (Remember us.) ここは様々な作品のキャラクターをマスター及びサーヴァントとして聖杯戦争に参加させるリレー小説企画のまとめwikiです。 本編には殺人、流血、暴力、性的表現といった過激な描写が含まれています。閲覧の際は十分にご注意ください。 メニュー
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「あらら、やっぱり嵌められたか」 目の前に写る、人知を超えた奇跡の存在。 一生を生きる内、この神秘的な光景を目に焼き付けることの出来る人間など、何人居ようか……。 しかし、アカギの目はセイバーを見ながらも、頭はこの場に呼ばれるまでの事を思い返していた。 始まりはあの男、悪徳警官安岡……アカギの対局場を用意するなど、通称セッティングパパと呼ばれる男……! 『アカギ、お前に渡したいものがある』 現実世界での最後の記憶…それは、安岡から渡された妙な木片を受け取った時のこと。 瞬間、場面は反転…。聖杯戦争という名の新たなゲームに、アカギは参戦を余儀なくされた……。 本戦に進むまでの予選をアカギは突破、今まさに…サーヴァントの召喚…契約を行おうとしている……!! 「―――サーヴァント、セイバー。召喚に従い参上した」 「ククク…なるほど、これがサーヴァント……!」 「問おう。貴方が、私のマスターか」 そしてアカギ、引き当てる…! 最も優れし最優のサーヴァント、セイバーを……!! 触媒無しの、何が来るか分からないリスキーな召喚。しかしアカギこれを難なくクリア……。 「ああ…俺がマスターらしい……」 月光の如く、煌く金髪…宝石のような碧眼…透き通るような白い肌…圧倒的外国人……! セイバー、真名をアルトリア・ペンドラゴン……かの騎士王アーサー。サーヴァントとして不足なし……。 アカギ、肯定……! 自らをマスターと告げる。マスターの証、右手に浮いた三つの令呪を掲げ……! 「では、マスターご指示を」 「ククク…あんた、聖杯が欲しいのか?」 「っ!? 何を……?」 アカギ、セイバーをスルー…。口にしたのは、初歩的な質問……。 「私が、聖杯に望む願いが知りたいのですか?」 「違うな…。そんなことは、どうだって良いんだ。ようは、あんたは聖杯が欲しいのか、それが知りたい……!」 「無論です。私は…聖杯が欲しい……!!」 当然、答えはYES…。セイバーの掲げる願いに聖杯は必須……。 あまりにも、する意味のない問答…セイバーにアカギへの疑念沸く。 「なるほど、ならもう少し頭を使った方が良い……」 「それは、どういう意味……!?」 「聖杯戦争…これを馬鹿正直に勝ち抜いたとして…どうして奴らが大人しく、聖杯をこちらに渡すと思う……? 騙されるなよ……。あんた、もう二度目だろ」 「なっ!?」 セイバー、見抜かれる……!! 二度目の参戦…一度目の敗退……。アカギ、見通していた……!! 「分かっていたのですか……。私が、以前にも聖杯戦争に呼ばれたことを……?」 「見れば分かる…。一目瞭然……! あんたは最初、俺がマスターだと知った後、指示を煽いだ。 もし初参戦なら、もう少し様子を窺っても良い…。 英霊といえど元は人間。例え聖杯から知識を与えられようが、見たことがないものに参加すれば、それこそ教科書に載るような時代の人間が現代に来るんだ。僅かながら、そこには物事を観察する時間が生まれる。 だが、あんたにはそれはなかった。寧ろその逆…! 掛かる手間を全て省き、戦いの準備を済ませようとする……。手馴れていた」 セイバー、驚愕……。アカギの洞察力、恐るべし頭の切れ……! 「見事です。流石だ…。時代が時代なら、貴方は良い軍師になれる。 故に聞きたい。貴方は、この戦いで聖杯は得られないと…?」 「単純に考えて、奴らのメリットが薄い。 なるほど、願いを賭けた殺し合い。盛り上がることは必然…! しかし、運営が得るであろう見返りと、俺達が得る見返り……! どちらに価値があると思う……? 当然…後者……!」 「つまり、この運営は…」 「ああ…恐らくは、俺達が殺しあうことで現れるであろう聖杯……。こいつが出来た瞬間、用済みってことも…ありうるってことだ」 まあ、あくまで仮説の一つだが。とアカギは付け加えながらもその説得力は重い…。 主に裏切られたばかりのセイバーが、疑いを持つには十分過ぎた。 「仮にだとするなら…私は……」 「ククク…セイバー、落ち込む事もないだろ?」 「なんですって……」 「奪えばいい。奴らが俺達を切り捨てるのなら、その瞬間逆に俺らが奴らを刺す。 簡単な話じゃないか」 「え…?」 アカギが提案した意外な解決策。 それは強奪……! 「で、でも…運営は主催は……私を従える令呪を……!」 「つくずく的が外れてるな、セイバー。 どうせ後には退けないのなら、とことん進んでしまえばいい。 結局、切り捨てられるなら……反旗を返して死ぬか、無抵抗で死ぬか」 言われて思い出す。セイバーの願い使命を……! 過去を変えたい。王の選定をやり直す……。その願いの為ならば……!! 「私は…勝ちたい……! 勝たなきゃ嘘だ…。そして国を……!!」 セイバー決意……! 泥を啜ろうとも、地を這おうとも必ず勝つ……! 「マスター…私は聖杯が欲しい……! 何としても!! マスター! 契約を!!」 「良いだろう。契約だ」 セイバーとアカギ、契約完了…! 晴れてマスターとサーヴァントとして聖杯戦争…参戦……!! 「マスター改めて指示を―――」 「その前に……。やっぱり、こいつは要らないな」 「え?」 アカギ、令呪の刻まれた右腕をかざす。 「―――令呪を三角重ねて命じる。セイバー、好きに行動しろ」 それは、マスターとして有り得ぬ愚考……!! 令呪の…実質的破棄……! 「な、馬鹿な……」 セイバー、解放! 実質、ほぼ何の制約も無く。彼女はサーヴァントの力を存分に振るえる。 それこそ、マスターを組み伏せ、限界の錨がわりにする事も可能! 「あ、貴方は…自分が何をしたか、理解しているのですか……!!」 「ククク…俺は元々、聖杯戦争なんて茶番に興味は無い……! 俺からすれば、こんなのはまだ予選の内……。ここに居る連中、全員倒したところでそれは偽りの勝利……! 真の勝利は…その先にある……!!」 理解不能。最早異次元、発想からして先ず違う。 「この聖杯戦争…自身の意思で参加したものが何人居ると思う? 自ら望まぬどころか、そもそも戦いすら何も想定していない弱者など倒しても、それは勝利じゃない。 ハイエナ…三流、いや五流もいいとこ……!」 「つまり、貴方は……主催者達と戦うと?」 「ああ、狂気の沙汰程、面白い!」 理屈は理解した。 しかし、まだ不可解……! 何故、令呪を破棄する必要があったのか。 「その為には、与えられた主従、偽りの結束なんて要らない。 ククク…なるほど、お前は当たりだったみたいだ」 セイバーは我に返る。 今、試されたのだ自分は、アカギに……! 自らのサーヴァントたるか。主催者と戦う僕、足り得るかを……! 令呪という束縛をなくした今、セイバーという存在を図る為に、その身を、命を張って試したのだ。 「行くか。セイバー、聖杯を取るんだろ?」 もしも、セイバーがアカギを裏切っていたら、アカギはどうしていたのか。 何か策はあったのか、手立てはあったのか。 いや違う。何も無かった筈だ……。 尋常ではない。異常だ。狂ってる。 この男は、人の思考をしていない。人ならざるサーヴァントを以ってしても測り得ぬ、もっと別の何かだと。 (私は……とんでもないマスターを持ってしまったのか) 今ここに。 後に、正史であれば「神域の男」といわれた男の聖杯戦争が幕を開ける……! 【CLASS】セイバー 【真名】アルトリア@Fate/stay night 【パラメーター】 筋力B 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具C 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:A A以下の魔術は無効化。事実上、現代の魔術で彼女を傷つけることは不可能。 騎乗:B 大抵の動物を乗りこなしてしまう技能。幻想種(魔獣・聖獣)を乗りこなすことはできない。 【保有スキル】 直感:A 戦闘時、未来予知に近い形で危険を察知する能力。 魔力放出:A 身体や武器に魔力を纏わせて強化して戦う技能。 カリスマ:B 戦闘における統率・士気を司る天性の能力。一国の王としては充分すぎるカリスマ。 【宝具】 『風王結界(インビジブル・エア)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大補足:1個 『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』 ランクA++ 種別大軍宝具 レンジ1~99 最大補足1000人 【weapon】 なし 【人物背景】 ブリテンの伝説的君主・アーサー王その人。 第四次終了後から参戦。 まだ腹ペコ王には目覚めていない。 【サーヴァントとしての願い】 王の選定をやり直す 【基本戦術、方針、運用法】 一先ずマスターの方針に従う。 【マスター】 赤木しげる@アカギ ~闇に降り立った天才~ 【参加方法】 木片をセッティングパパから貰った。 【マスターとしての願い】 主催を倒す。 【weapon】 無し。 【能力・技能】 麻雀・その他ギャンブルの天才。才気・精神性・運量、その全てが常軌を逸しており「悪魔」と比喩される。 後に「神域の男」「鬼神」「百年に一人の天才」「転ばずの赤木」といわれ、数えきれないほどの伝説をもつほどである。 【人物背景】 独自の死生観を持ち、自らを半死人と評す程に生への欲求を感じられず、死への恐怖を感じない自分を異常者。 【方針】 自ら、進んで参加した者、強者との戦いに興味はあるが、聖杯戦争自体に興味は無い。
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なんなんだよ…聖杯戦争って…… この言葉を一体何度繰り返したのだろうか。 しかし、直保はその回数はとっくに忘れてしまったし 溜息の数も両手では収まり切れなかった。 何よりもここは彼がかつていた場所――農大ではないのだから…… 沢木惣右衛門直保―― 長いので沢木直保と省略する。 彼は聖杯戦争に巻き込まれてしまったのである。 何故?かと言えば思い出せない。 月の石とやらにも心当たりない。 もしかしたら、彼の先輩たちがうさんくさい高価な石だと紹介したあの石…だったかもしれない。 何にしても故意ではないのだ。 彼は魔術師じゃない。 かといってタダの人間でもなかった。 直保には「肉眼で菌の姿を捉える」能力がある。 掴むことも出来るし、少々くらいは操ることも出来る。 だけどもそれだけ。 もしかしたら、自分の能力が魔術的なものなのかもしれないが 逆に嬉しくも何ともない。むしろ迷惑だ。 何故、このような戦争に巻き込まれてしまったのだろう。 さらに巻き込まれただけならともかく 農大ではない、全く見知らぬ地に移されてしまったのも迷惑極まりなかった。 直保は友人たちや先生たちの心配もそうだが 果たして自分は元の場所へ帰ることができるのだろうか…? 「大丈夫大丈夫!なんとかなるってー」 そう呑気に声をかけてくるのは直保のサーヴァント・キャスターである。 戦争に参加するのに何が大丈夫で、なんとかなるのか。 直保は困り果てていた。 「そんな顔すんなよ、提督ぅ~これでもあたし、結構活躍できるんだぜー!」 「違う……俺は好きで参加した訳じゃないんだ…」 悲壮に溢れる言葉を漏らすが キャスターはヘラヘラとした態度で軽く受け流した。 「そりゃあ、仕方ないね~」 「仕方ないって―――」 「たまーにそういうのあるんだよ。聖杯戦争ってさー それに今回はあたしらだけじゃないんだ。皆と頑張ればなんとかなるなる!!」 確かに今回の聖杯戦争は 月と地球 二つの陣営に分かれ戦うのだ。仲間がすでにいる状況だ。 ルールを聞いている直保は分かっているものの、また溜息をつく。 「それよりさー提督、酒作ってるんだろ? あたし、それ飲みたいなぁ~今度飲ませてくれよ~」 「酒だって、農大に帰らなきゃないだろ…」 「じゃあ一緒に帰って飲もうぜー!」 ノリで話している気がしなくもないが キャスターの提案に直保は少し間を開けてから 「……そうだな。皆のところへ帰ろう」 少しだけ頬笑み答えた。 ちゃんと生きて帰ろう。 そんでもって宴でも何でもいい、皆で酒を飲み明かそう。
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楠リッカ&ライダー ◆zzpohGTsas ライダーのサーヴァントは酷くウンザリしていた。この聖杯戦争を切り抜けて行く上で、重視しなければならない相棒となるマスター。 そのマスターと言うのが―――――――――――――― 「やっぱりさ、VAVA。あなた絶対に、神機を搭載した方が良いって。強くなってさ、私達の所に来ない? ぜっっっったい、装備した方が良いってVAVA!! あ、それとも、神機って何か知りたい? あー、説明してなくちゃどう言うのか受け入れられないよね、ごめんね。 神機ってのはね、私達の世界にいる『アラガミ』って言う化物を殺す一種の生体兵器でさ、この神機一つあれば、近接戦闘も遠距離での砲撃も、緊急時の防御行動も全部――――」 この調子なのである。自分がもしもレプリロイドでなく人間であったなら、深い深い溜息を吐けていただろう。 そして令呪などと言う七面倒な代物がなければ、肩のキャノンを発射して、マスターの顔面を果物の如く粉砕させていたに違いない。 時刻は夜だった。某都の市内にある、無人の工場。其処に彼らはいた。 一人は、横に並べられた鉄骨の上に腰を下ろす、全体的に人の形をしたロボットであった。 特徴的な姿である。頭に相当する部分は、古代の戦士が身に付けた兜・バルビュータに似ており、顔面部にT字状のバイザーシールドが取りつけられている。 額には何かの象徴か、『V』の文字がプリントアウトされていた。 自分はロボットである、と言う事がこれ以上となく伝わりやすいデザインだ。その象徴が、彼の右肩に装備された鋼色に輝くキャノン砲だ。 連結した金属薬莢を外部に露出させているその姿は、傍目から見たら、人を殺す為に生まれてきたヒューマノイドとしか映らないであろう。 彼のサーヴァントのクラスは、ライダー。そしてその真名こそは、VAVA。 他を隔絶する性能を誇る特A級ハンターに比肩するカタログスペックを持ちながら、その圧倒的な火力に任せた戦法で敵味方に多大な被害を与え続ける、 イレギュラースレスレとまで言われたレプリロイドだ。 一方で、VAVAの正面で必死に何かを語りかける少女が、彼のマスターだった。 少し煤けた銀髪にゴーグル、タンクトップにオーバーオールと、装いだけを見れば完全にブルーカラー。 しかも工業系の仕事に従事する人間だ。顔に残る、オイルの擦れた跡が更にそのイメージを助長させる。 事実彼女は、工業系の作業を生業とする人間だった。突如として地球に姿を現した、オラクル細胞からなる生命体、アラガミ。 アラガミを倒す為の現状唯一の手段とも言うべき神機を整備する整備士。フェンリル極東支部神機整備班、『楠リッカ』。彼女の名前である。 当初このマスターを見た時、VAVAは内心で当たりを引いたと思った。 VAVAは生身の人間でもなければ、そもそも有機生命体ですらない。金属と回路によって構成されたレプリロイドなのである。 聖杯戦争に臨むにあたって、知識は多少齧って来た。だからこそ、眉唾物なのである。自らのこの機械の身体が傷を負った際、魔術的な方法で治癒出来るのかがだ。 そんな時に彼が引き当てたマスターが、一目見てわかるメカニックだ。これならば信頼出来るかも知れない。 魔術と言う、未だ実在するかどうか疑わしい物に頼るよりかは、VAVAも良く知る実在の技術の方が、と思ったのだ。 リッカは恐らく、この聖杯戦争へと、訳も分からず招聘されていたのだろう。VAVAを初めて見た時のリッカは、酷い混乱状態に陥っていた。 仕方なく彼女を落ち着かせ、何故呼び出されたのか、そして聖杯戦争について説明した途端である。 彼女は突如として饒舌になり始めた。VAVAはリッカの話す言葉には微塵も興味ないが、それでも、全く聞いていなかった訳ではない。要約すると、こう言う事だ。 曰く、リッカの世界には神機なる武装兵器があると言う事。 適正こそ必要であるが、馴染んでしまえば己の半身とも言うべき唯一無二の相棒になると言う事。 自分達のいた世界では、アラガミと言う、如何なる動物、如何なる物体、如何なる兵器をも『捕食』し、その性質を引き継いでしまうと言う厄介な化物がいると言う事。 ――そして、サーヴァントであるVAVAを、自分が所属するフェンリル極東支部に案内したい、と言う事。 怒るよりも呆れるしかない。特殊なウィルスに感染した訳でもなければ、Σに引き抜かれた訳でもない。 生れついての回路異常により、所構わず暴れ回り、そして自らの意思でイレギュラーとなったこのVAVAを、よりにもよって引き抜きである。 余程分厚い面の皮を持っているか、馬鹿かのどちらかだ。 終始神機の良さとスカウトを、水車が回るように口にするリッカだったが、流石に埒が明かない。 「おい」 低く、恫喝するようにVAVAが短く告げる。リッカの言葉が、止まった。 「簡潔に答えてやる。俺はお前らの下らないバケモノ退治に加わるのは御免なんだよ。素直に折れろ」 「く、下らないって――!!」 リッカの表情が険しい物となる。 アラガミなる存在が如何なる者なのかはVAVAには解らないが、そのアラガミとの戦いは、リッカ達の世界の住人にとっては、馬鹿に出来ない重要な事柄であるようだ。 しかしそんな事お構いなしと言わんばかりに、VAVAは言葉を続ける。 「それにな、フェンリルだか何だかしらねぇが、今からどうやってお前達の根城に行くんだ? オイ。解ってんだろ? 勝ち抜かなけりゃ、元の場所にすら帰れねぇんだぜ」 「っ……!!」 リッカの言葉が詰まった。最も痛い急所を突かれた顔、直視したくない現実を見せつけられた顔。それが、今のリッカの表情だった。 「いつまでも現実から逃げるな。死にたくないなら、お前は絶対に俺を使って最低一人の人間を殺さなきゃ――」 「あんたに何がわかるのよ!! このポンコツ!!」 涙声でそう叫びながら、懐のポシェットからレンチを取り出し、VAVA目掛けてリッカはブン投げる。 子供が投げたハンドボールを軽くキャッチするような容易さで、VAVAは軽く左手でそれを握る。直撃していれば、T字状のバイザーに激突していたろう。 結局、リッカが神機やらアラガミなどの話をする事は、コレが原因だった。 聖杯戦争は戦争の名前が仄めかす通り、平穏無事で終わるような甘い代物ではない。 時に圧倒的火力で相手を蹂躙し、時に権謀術数を廻らせ相手と手を取り、また必要があれば裏切り――。 人としての罪や業を集めて煮詰めたようなこの催しを行う訳は、最後の勝利者に与えられる、万能の願望器、聖杯である。 いかなる望みをも成就して見せるその聖遺物を求めて、参加者は血を流し、罪を犯すのである。最後の褒美である、望みの奇跡を引き起こす、神の杯を求めて。 VAVAは一目見て理解した。リッカは間違いなく、人殺しの経験が無いと。 VAVAでなくともそう思うだろう。目の前にいる、何処にでもいそうな普通の少女がそんな体験を経る筈がない。 この少女は、聖杯戦争を勝ち抜く上で絶対にクリアーしなければならない課題、人を殺せるか如何か、と言う最初のハードルすら越えられない人間だった。 心の片隅では理解しているのだろう。VAVAの言う通りにしなければ、聖杯戦争の為だけに用意されたこの御誂え向きの都市から出られないばかりか、逆に自分が殺されると言う現実を。 直視したくなかったのだ。その余りにも過酷で、残酷で、無慈悲な運命を。それから逃避したいが為に、VAVAに明るい口調で、元居た世界へスカウトしようとしていた。 こう言う事なのだ。 「嫌だよ私、人を殺す何て……ねぇ、何か他に手段はないの……?」 「ねぇよ。どうしても死にたくないなら、お前は生き残る必要がある。躊躇してたら、本当に共倒れ以下の結果にしかならねぇぞ」 もしも目の前にいるレプリロイドが、利己的な性格の持ち主のVAVAでなく、『X』や『ZERO』であれば、リッカの話を踏み込んで聞いてやれたかも知れない。 リッカには、人を殺したくないと主張するに足る理由があった。彼女がVAVAに対して幾度も主張していたが、彼女の世界はアラガミと呼ばれる生命体のせいで荒廃していた。 あらゆる物体を取り込むオラクル細胞と呼ばれる細胞からなるアラガミは、その特性故に通常兵器が全く通用せず、かつ取り込んだ物質の性質をラーニングすると言う性質を持つ。 このアラガミによる全人類の滅亡を防ぎつつ、アラガミの掃討を行うと言う目的の為、神機と呼ばれるガジェットを操る神機使いを集め、アラガミに立ち向かう組織。それが、フェンリルなのである。 そう言った組織で、神機の整備を務めると言う形で勤めている都合上、リッカは大なり小なりの内情に精通していた。 そも、神機と呼ばれる兵器自体が、人為的に調整された、武器の形を取ったアラガミである。 人類がこの兵器を振るう為には、神機に対して当該人物が遺伝的に適合している事が必須条件となる。 適合がある人間は、P53偏食因子と呼ばれる、オラクル細胞から抽出された、アラガミに対して抵抗力を持つ物質を注射。その後オラクル細胞を身体の奥深くに埋め込む。こうして晴れて、当該人物は神機を振るう事が出来る。 アラガミを構成するオラクル細胞、そして元々はオラクル細胞の一部である偏食因子を身体に埋め込む。 そう、神機使いと言う人種は、人間を超えた身体能力と神機を振るう権利を得る代わり、何かの間違いで身体に埋め込まれたオラクル細胞が暴走。自らがアラガミ化してしまうと言う重大なリスクも孕んでいるのである。 無論としてフェンリルの側もそうならないよう厳重なチェック体制を行っているが、元々神機使いは人類の天敵に等しいアラガミと切った張ったを繰り広げる職業だ。 現場では実際に、不慮の事故で部隊員がアラガミ化してしまうと言う傷ましい事故が少なからず発生しており、その度に、断腸の思いで隊長格の人物が、部下の介錯を行っている。 痛ましくて、悲しい事件だと、リッカは切に思う。 アラガミ化した人間にとっても哀れであれば、介錯を行う当人にとっても嫌なしこりを残す事例だ。 技術者として、そう言った事故のリスクを限りなく減らし、神機使いの側にも憂いなく戦闘に望めるような技術進歩を。 そしてフェンリルに所属する人間として、仲間が仲間を介錯すると言う余りにも悲惨なケースがなくなる事を。彼女は強く望んでいた。 神機使いの半身とも言える相棒である神機のメンテナンスを行う、実戦現場から遠い位置にいる、優しい性格の少女。それが楠リッカだった――と言うのに……。 何故よりにもよって、そんな彼女が、聖杯戦争へ導かれてしまったのか。自らの身に降りかかった残酷な運命を、ひたすらにリッカは呪っていた。 「ね、ねぇ。この戦争って、私達以外にも参加者がいるんでしょ? だったらさ、私みたいな考えの人もいるかも知れないし、同盟を組んで一緒に――」 「確かに有利には進められるだろうが、最終的にはその同盟の奴とも決着を着けるんだぞ。最低でも一人は、絶対に殺すんだよ」 やはり、そうなってしまうのか。今にもリッカは身も世もなく大声で泣き出してしまいそうだった。 サーヴァントであるVAVAが実行役を引き受けるとは言え、無事にこの街から抜け出したいのなら、リッカは人を殺さねばならないのである。 しかも、アラガミと化した人間を、ではない。本当に純粋な人間を、だ。リッカは潰れてしまいそうになる。何故、このような事になってしまったのだろうかと。 「VAVAは、やる気だね……。其処までして何か、叶えたい願いでもあるの?」 疲れたような声色で、リッカが訊ねる。 聖杯戦争なるものの本質が、その名の通り、願いを叶えると言う聖杯――リッカにとっては到底信じ難い代物――にあるのだろうとは理解したリッカ。 となればVAVAも、この戦いに臨むに当たり、叶えたい願いがあるのだろう。だからこそ、この場に彼はいるのだから。 「望みはあるが……、聖杯で叶えるような願いじゃねぇな。俺の願いは、この戦いに呼び出された時点で半ば叶ってる」 「? それって、どう言う……?」 「俺は、自分が真に優れたレプリロイドである事を証明したい。あの甘ちゃんレプリロイド……エックスの野郎よりもな……!!」 そう語るVAVAの声音は、驚く程恐く、そして、隠せない程横溢した怒りに満ち満ちていた。 リッカはたじろぐしかなかった。VAVAはレプリロイド、ロボットである。決して人間ではない、無機物の存在である。 言動やAIを人間のものにどんなに近づけても、彼らは人間に決してなれない存在の筈なのに。何故だろうか。リッカの目には、このVAVAと言うレプリロイドは、下手な人間よりも、人間らしく映っていた。 「証明するって、聖杯に願って……?」 「違う。聖杯戦争は俺と同じようなサーヴァントとマスターが恐らく集うだろうよ。中には、俺やエックス、ゼロやシグマの奴よりも強い奴がいるかもしれねぇ。 そんな奴らが集まる中で、俺がこいつらを下し、聖杯戦争の生き残りになれば……。俺は、十分優秀なレプリロイドの条件を満たしてるだろうがよ? 俺は……自分が誰よりも――特にエックスよりも優秀だったって言う事実を刻みてぇんだよ。俺と言う存在がどれ程世界にとって脅威的な存在だったか、皆に知らしめたいんだよ。 それをクリアーするなら……聖杯戦争の優勝者となるだけで充分だ」 驚くよりも、リッカは最早呆れるしかなかった。無茶苦茶、としか言いようがない。 掻い摘んでしまえばVAVAの望みと言うものは、自己顕示欲と承認欲求を極限まで満たしたい、と言う事である。 VAVAが人間であったのならばさもありなんだが、彼はレプリロイド――ロボットである。 そんな彼が、他のレプリロイドに強い執着心と対抗心と嫉妬を抱き、自己(アイデンティティ)の確立に燃える。 それは、予めプログラミングされた思考回路を持つロボットとしては極めて異常であると言わざるを得ない。 VAVAは、レプリロイドに関する知識もなければ比較対象も知らないリッカの目から見ても、『イレギュラー』としか思えない存在であった。 「そう言う訳だ。俺の願いは、この戦いに招かれた時点で半ばは達成されてる。聖杯はテメェにでもくれてやる。それで、この戦争で死んだ奴の復活でも願えば良いだろうが」 「!! そ、そんな事も……?」 「万能の願望器、って言う言葉に嘘偽りがないのなら、多分出来るんじゃねぇのか?」 本心を言えば、リッカにだって願いがない訳ではない。 西暦2050年に地球上に突如として現れたアラガミ達により、人類の文明は、嘗ての栄華が嘘の如く荒廃させられていた。 神機以外の通常兵器が通用しないと言う都合上、人間はムシケラのように蹂躙され、多くの国家と多くの都市が、アラガミの手により壊滅して来た。一日に十万人以上も殺される日もあった程である。 今でこそ神機や偏食因子などを用いた対抗手段が幾つか生まれているが、これもまだアラガミを地球上から消し去る決定打、とまでは発展していない。 神機の発明から十年以上も経過したが、それでもまだ、人類はアラガミとの戦いで有利に立てているとは言い難いのである。 もしも聖杯が万能の願望器であると言うのなら―― リッカの叶える願いは、ただ一つ。地球上の全てのアラガミを消滅させる事。それしかなかった。 戦う必要のない整備班であるが、悲しい事が全くない仕事と言う訳ではない。それまで整備のついでに談笑し、仲良くなった神機使いが、明日の戦いで命を落とす、などと言う事は決して少なくない。 その度に、彼女は悲しくなる。泣きたくなる。そして、そんな事が起る度に、彼女は考えるのだ。アラガミが現れたから――皆。 クレイドルに行った『彼』も、アリサも、コウタも、ソーマも、リンドウも、サクヤも、ツバキも、カノンも、エリナも、ブラッドの皆も。 負わなくて良い傷を負い、犯さなくても良いリスクを犯し、背負う必要のない悲しみを背負っている。アラガミさえいなければ……、そう思うのは、リッカだけじゃない。 彼女の住んでいた地球の誰もが考える事だろう。聖杯で、そんな願いを叶えてやりたい。だが、その為に人を殺して良いのかと言う問題が沸き上がり、悩んでしまう。 たっぷり三十秒程唸るリッカだったが、ある時ピタリと、その唸り声が止む。 俯かせた顔をグワッと上げると同時に、彼女は言葉を発する。 「いよっっっし!! こうなったら覚悟を決めた!! VAVA――いや、ライダー!! 聖杯を手に入れるよ!! こうなったら欲張るよ私、聖杯を手に入れて、この戦いで死んだ皆を生き返らせつつ、アラガミを世界から消す!! それで、チャラになるって信じる!!」 「……欲張ったな。だが、それ位が丁度良い。訳も解らず、数合わせの為にこの戦いに呼ばれたんだったら、生き残った暁にそれ位は望まねぇとな」 座っていた鉄骨から、VAVAが立ち上がる。肩のキャノン砲を除けば、実にシャープでスリムなフォルム。とてもロボットとは思えない。 しかし彼こそは、嘗て単身でシグマ率いる反乱軍を壊滅させ、最強の特A級ハンターであるゼロと、 彼に匹敵するスペックと、そのスペックでは計れない無限の可能性を持ったレプリロイド・エックスを破壊寸前にまで追い詰めた、恐るべきレプリロイドなのだ。 「(エックス。テメェみてぇな甘ちゃんにゃ、この聖杯戦争は切り抜けられんだろうよ。この俺じゃなきゃ、聖杯まで辿りつけねぇ)」 もといた世界にいるであろう、いつも悩んでばかりいたあのレプリロイドを夢想するVAVA。 反乱軍を単身で潰乱させた自分よりもなお、シグマが脅威と信じていたあのレプリロイドよりも、自分が優れていると今度こそ証明する。 「(――俺がジョーカーだ、エックス)」 戦いの意思を強く固めるVAVAなのであった―――――――――――― 「あ、そうだ。ねぇ、ライダー」 「あん?」 「さっきの神機の話だけどね、ライダーに似合うって言うのは本当の話なんだよね」 「……あ?」 何だか、雲行きが怪しくなってきた。 「ホラ、ライダーのフォルムってさ、如何にも戦闘用のそれ、って感じだからさー。神機との整合性とか見た目とか、悪くなさそうじゃない? 聖杯がさ、願いを1つしか叶えられないんだったら、私は聖杯戦争で死んだ皆を復活させるよ。それでね、アラガミの消滅はね、ライダーにも手伝って貰う」 「テメェ、何俺が手伝う事前提にしてんだよ」 「いやいや、だってさ、エックスってレプリロイド? よりも強くなりたいんでしょ? アラガミと戦い続けても、その目標は達成されると思うわけ。 しかも、ただでさえ強いライダーに、ただでさえ強い神機が装備されるんだよ? 今より弱体化される訳ないじゃん。あっ、もしかしてどういう種類があるか知りたい? ゴメンゴメン配慮が足りなかったね」 「俺の話聞けよお前……」 「神機ってね、さっきも言った通り、近接戦闘も遠距離戦闘も出来てね、多分VAVAの場合は遠距離戦闘を主体にした――――」 …………存外、この少女は大物なのかも知れない。 このマスターと勝ち抜いてやると言うVAVAの決意に、少しばかり曇りが生じた瞬間なのであった 【クラス】 ライダー 【真名】 VAVA@イレギュラーハンターX 【ステータス】 筋力C(A) 耐久B+(A+) 敏捷B(B+) 魔力E 幸運D- 宝具B++ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:E++ 魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。 無効化こそ出来ないが、未来の世界のレプリロイドであるライダーの身体は、多少の障害程度はものともしない。 騎乗:D++ 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 後述するライドアーマーに騎乗した時に限り、ランク以上の騎乗スキルを発揮出来る。 【保有スキル】 反骨の相:A+ 権威と規則に全く囚われず、敵味方の区別なく破壊を繰り広げ続けた者としての性質。 ライダーの場合生れついての回路異常のせいで、正しい上下関係などを理解していなかったふしがある。 同ランクのカリスマや魅了を無効化する。 レプリロイド:A ライト博士が生み出した世界最初のレプリロイド、エックスをモデルに作られたヒューマノイドであるかどうか。 人間に限りなく近い思考回路を持っているとは言え、ライダーは機械である。魔術的な精神干渉の一切及び生物毒の類を完全に無効化する。 破壊工作:D 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。 ランクDならば、相手が進軍してくる前に一割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく 矢よけの加護:B 飛び道具に対する防御。狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。 イレギュラーハンターは高速で飛び交う弾丸や飛来する礫等に素早く対処する必要がある為、このランクは妥当と言える。 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。 【宝具】 『騎乗を可とする機械の鎧(ライドアーマー)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:10 最大補足:20 真名解放と同時に騎乗可能となる特殊なガジェット。 ライダーの駆る機械の乗り物。本来は土木用作業機械に過ぎなかったそれを、世界で初めて兵器に転用したと言うライダーの偉業が宝具となった物。 ライドアーマーを武器にすると言う発想はVAVAがエックス達に始末されてからも高く評価され、その後エックス達は当然の事、レプリロイド達の軍隊である レプリフォースまでも、戦闘用にチューニングされたライドアーマーを使用している事から、この一点においてライダーは明白に世界を変革してみせたのだ。 ライドアーマーに騎乗している間は、ライダーのステータスはカッコ内の数値となり、ライダーに備わる基本兵装を遥かに超える威力の重機関銃による掃射攻撃、 足元のバーニアを使用した空中でのホバリング移動を可能とする。破壊される、或いは騎乗してから数分が経過すると、ライドアーマーは機能を停止。 数時間は使用不可能になるが、令呪を一区画消費する事で、ライドアーマーを瞬時に再生させ、再び騎乗させる事も出来る。 『短射程の一撃必殺(ゴールデンライト)』 ランク:D+++ 種別:対人宝具 レンジ:2 最大補足:1 ライダーの隠し持つもう一つの宝具。その正体は、右手に隠されたロケットパンチ機能。 その威力は一撃必殺を語るには申し分なく、直撃さえすればAランク相当の対人宝具並の威力を発揮、耐久に優れたサーヴァントにも致命傷を負わせる事が出来る。 唯一にして最大の欠点は、直撃『さえ』すればとある通り、致命的なまでの射程の短さ。 2~3m程までしか飛ばない為、直撃させる為には極限まで相手との距離を詰めねばならない。 そして、一度外してしまい、その存在が露呈してしまえば、次に直撃させる事が非常に困難な宝具になる。 直撃さえさせれば非常に有効だが、逆に言えば直撃させねば全く意味のない宝具の為、使用には慎重に慎重を期さねばならない。 【weapon】 チェリーブラスト: 射程十m程の、指先から放たれるバルカン。 ヒューメラスクラッシュ: 右肘から放たれるミサイル。 フロントランナー: ライダーのキャノン砲から放たれる砲弾。 ケルベロスファントム: 同時三方向に射出する事が出来る熱線兵器。 メタルクレセント: 同時に三枚のブーメランを発射し、相手を切断する兵装。 バンピティブーム: 脚部兵装から発射されるナパーム弾。 デッドスターハグ: 脚部兵装から発射される、地面を這いながら進むエネルギー弾。壁に当たるとボールの要領で跳ねかえる。 ワイルドホースキック: 脚部兵装から放出される火炎放射。 本来ならばより多くの兵装があったのだが、ライダークラスで現界した為、その多くを失っている。 【人物背景】 嘗てイレギュラーハンターに所属していた、A級イレギュラーハンター。 しかしそのスペックだけを見るなら、特A級に迫るものが有り、現に彼もまた、特A級の証であるアクション、壁蹴りを難なく使用する事が出来る。 生れついて電子頭脳回路に異常があり、その圧倒的火力に任せて行動し、周囲の被害も考えず暴れまわる危険人物でもあった。 任務においても本来最小限に食い止めるべき被害を逆に拡大させてしまう事も度々あり、任務を遂行するというよりは純粋にイレギュラーを「狩る」事を目的としている様な思考をしている。 このような性格からか、イレギュラーハンターの中でも揉め事は絶えなかったらしく、本編開始前に留置されるに至る。 その後、反乱を起こしたシグマに誘いをかけられる。だが、B級ハンターであり、甘ちゃんと言って蔑んで来たエックスの方がシグマから危険視扱いされている事に反感を抱き、 自分一人でクーデターをおこし、自分の方が脅威であると知らしめようとする。 シグマに加担した特A級ハンター八名を一人で始末、シグマパレスに乗り込んだVAVAは其処でエックスとゼロと対峙。 二人を破壊寸前にまで追い詰めるが、最後はエックスとゼロの不意打ちで返り討ちにあう。 天才科学者であるライト博士に作られたX、同じく天才科学者のワイリーに作られたZERO、そして現代におけるレプリロイド開発の権威であるDr.ケインに作られたΣとは違い、彼は特別の出自もないレプリロイドであった。 しかし自らの意思でイレギュラーとなり、全ての特A級ハンターを破壊、自己を確立しようと足掻いたVAVAもまた、レプリロイドの進化と無限の可能性を象徴する存在でもあった。 【サーヴァントとしての願い】 聖杯戦争を勝ち抜き、自分こそが世界にとって脅威となるレプリロイドである事を今度こそ証明する。 【基本戦術、方針、運用法】 レプリロイドである故の物理的な防御力の高さと精神干渉への耐性、そして数々の兵装を用いた火力戦は非常に強力。 A級ハンターとして前線で戦って来た経験は伊達ではないと、そのステータスが雄弁に物語っているだろう。 ライドアーマーに騎乗した際の強さは凄まじく、騎乗スキルを存分に生かした素早い立ち回りはライダーの名に恥じない。 ただ欠点は、魔術が一切存在しない世界からやって来た事による、致命的な魔術への耐性の無さ。そして本当の切り札である、『短射程の一撃必殺』のピーキーぶり。 格上のサーヴァントに当たれば当たる程、VAVAと言うサーヴァントはこの宝具を如何に直撃させるか否かがキモとなる為、打ち損じは断じて許されない。 飛び道具で中~遠距離戦が得意である、と見せかけて、接近した相手に対して『短射程の一撃必殺』を当てる事が、格上相手に勝利を拾うコツとなるだろう。 【マスター】 楠リッカ@GOD EATERシリーズ 【マスターとしての願い】 地球上に存在する全アラガミの消滅と、聖杯戦争で死んだ参加者の復活。 【weapon】 【能力・技能】 神機の整備を得意とするが、この世界に神機は存在しない為、役に立たない技能となっている。 【人物背景】 フェンリル極東支部神機整備班に所属する整備士。父親も同じく神機整備を担当する技術者だったが、彼の亡き後その技術力を受け継ぎ、仕事に精を出している。 バレットの開発も担当しており、シオのドレスを製作するなど、整備以外の事も卒なくこなせる。 長年の経験と職業柄、神機の知識が豊富。その程は、神機の状態を見るだけで持ち主の戦闘スタイルを判断出来るレベル。 整備をしていると、神機の傷が「仲間を庇って受けた傷」なのか「ビビって逃げた傷」なのかがわかるとの事 【方針】 なるべくなら人を殺したくない。が、肝心のVAVAが戦闘に対して極めて乗り気であるので、彼を何とかして御したい。
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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 セイバー時のデータ 【クラス】セイバー 【真名】アリス・リデル 【容姿】巨大な剣を携える、リボンの少女。 【その他】中立・善 地属性 女性 【HP】40/25(+15) 【筋力】D(A++):7(8) 【耐久】B+:5 【敏捷】C+:4 【魔力】C:3 【幸運】A:5 【スキル1】対魔力 C 05点:作成時、英雄点5を得る。魔術防御時、補正値5を得る。 【スキル2】夢現の旅人 B 05点:最大HPを15増やす。物理攻撃時、補正値4を得る。 【スキル3】幻想投影(剣) A 05点:物理攻撃と物理防御時、ダイスの面数を1増やす。 【宝具】『邪竜屠る鋭光の氷剣』(ヴォーパルソード) 1/1 【ランク・種別】対竜宝具 B+ 【効果】物理攻撃時、補正値10を得る。「竜種」の対象に対し、更に補正値5を得る。 泥 【元ネタ】『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』 【CLASS】セイバー 【マスター】不明 【真名】アリス・リデル 【性別】女性 【身長・体重】135cm・29kg 【属性】秩序・中庸 【ステータス】筋力D 耐久B 敏捷C 魔力C 幸運A 宝具B+ 【クラス別スキル】 対魔力:C 魔術に対する抵抗力。魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。 大魔術・儀礼呪法など大掛かりなものは防げない。 単独行動:B マスター不在・魔力供給無しでも長時間現界していられる能力。 Bランクならばマスターを失っても二日は現界を保つことができる。 【固有スキル】 幻想投影:EX 自身の霊基そのものを変化させる、極めて特殊性の高いスキル。 地球規模で有名な物語に登場する数々の作中伝承を、自身の力としてその霊基に憑依させることができる。 「幻想投影(剣)」のように、憑依した伝承によりこのスキルのランク、及びクラス・クラススキル・宝具が変化する。 この選定は召喚時に行われ、現界中は自身の意思によって変更することはできない。 夢現の旅人:B 自身の肉体と精神を正常に保つスキル。物理的な攻撃に対しある程度の耐性を得る。 また、同ランクまでの精神干渉系効果を無効にし、より高ランクの効果に対しても判定次第で抵抗を可能とする。 但しこの効果で宝具を防ぐことはできない。 【宝具】 【Weapon】 【解説】 物語 英霊 人間関係(物語) 人間関係(英霊)
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始まりの御三家 【高町】(やる夫の家系)が場所を提供、【巴】(マミの家系)と【博麗】(神社)が聖杯の作成を担当。 ここの聖杯の成り立ち 国民性といっていいのかわからないけどこの国は八百万の神を祀って【外】からもどんどん受け入れてることから【神秘】とかそういうものが節操なく国に組み込まれていっている。 そういった力は霊地などに還元されるが、現状の節操なく流れが入り組んでいる状態では当然淀みが生じ、たまりにたまった淀みは溢れればそこを人の住める土地ではなくしてしまう。 そこで【博麗】が懇意にしていた天津神は考えました。【溜まって淀むのなら、使ってしまえばいい】 【溜まり淀んだ霊力】を核にサーヴァントを呼んで。その戦を浄化の奉納の舞という儀式として扱って。そうして浄化された過剰な霊力をもって願望を叶える。これがこの地の【聖杯】。 【聖杯】の発現にはサーヴァント同士が死力を尽くして戦い合い、戦うことのできるサーヴァントが最終的に一体となればよい。マスターの脱落やサーヴァントの消失は必須ではない。 今回の聖杯の器はまだ何かは分からないが戦いが進むにつれそのうち姿を現すらしい。 参加者の選定(令呪の発現)基準は一定以上の魔力があること。また何か【願い】があると令呪が発現しやすい。ただし御三家には優先的に参加枠が割り振られる。 この方式で過去に少なくとも二度聖杯が作られている。参加者の選定基準のために強力なサーヴァントが呼ばれやすく一回目の優勝はヘラクレス(アーチャー)、二回目の優勝は光の神ルーグ(ランサー)。 聖杯自体には教会成分はないものの、毎回怪獣大決戦が起こるので神秘の秘匿を目的として教会に監督役が派遣されている。
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月が紅いワケ ◆B7YMyBDZCU 【月が紅い理由――教えてやるよ】 右腕は動く。 彼が意識を回復してから真っ先に行った行動。無言で右腕を掲げる。 頭が暗い闇の底に眠っているみたいだ、思考機能が現実に追い付いていない。 廃墟の空間、何も生物らしさを感じない其処で彼は腰を下ろし壁に背を。 聖杯戦争――聞いたこともなければ見たこともない。嘘か本当かのお伽話だ。 願いが叶うなんて迷信や伝説、過去に残された歴史だけに許されている褒美と来たもんだ。 どんな状況や境遇でも有り得ない摩訶不思議な現象を餌に人間を釣る存在の思考は理解出来ない。 「……」 人間を釣る。その人間には勿論自分も含まれている。 彼は人間だ、人間である。外野が騒ごうが彼は人間で在り続ける。 その脳は無傷。寄生などされておらず思考、意思、想いは彼だけのモノ。 右腕を揺らす。 その行動に別段意味は無く、問いかけるように右に左に揺らし続ける。 ……。 返答は無い。 そう――返答は無いのだ。 右腕を揺らすその行為に対する反射が返答。彼は何を求めているのか。 返答だなんて。まるで右腕を生物のように思っているのだろうか。 返答が無いならば仕方が無い。返ってこないならば、仕方が無い。 この状況を理解しようと本能が働き始める。 身体に傷はない。 最後に見た光景は夜空を不気味に飾る紅い月。 物珍しさに空を眺めていた、そんなある日に突然、意識が、彼が消えた。 その姿は世界から消え去り召されるは異形の地。聞くも見るも全てが初の感覚。 記憶の糸を辿るも出てくる情報は砕かれた欠片であり把握には繋がらない。 此処はどこだ、それは東京だ。之はなんだ、聖杯戦争だ。記憶に刷り込まれている。 だが重要なのは違う、何故、自分は此処にいるのか、何故、聖杯戦争に――。 ドクン。 ……? 突然跳ね上がる心臓。前触れもなく、息をするように。 それは分類するならば反射的な直感。本能が告げるのだ、考えるよりも早く。 此処はキケンだ、と。 辺りは夜だ。否定するなど不可能であり決定付けられている。 視界は朧げながらも目の前に立っている異質な存在を捉えているのだ。 背けたいその存在は視界に立っている、背けたくても引き寄せられてしまう。 悪の美学――とでも言えばいいのだろうか。目の前の存在は紛れも無く社会に必要ない存在に見えるのだ。 彼はその男を知っているわけでもなく、初対面。素性も何もかもが不明。 完全なる第一印象で判断をしているが感じ取れる空気は穏やかではない。 その空気は鋭い、それもシャープではなく暗く、己の満足のために他者を斬り裂くナイフのように。 男の髪は白、サングラスの奥に潜む瞳は獣のように餓えていた。 血生臭く、初対面でも解る。 この男は屑だ、人間を何人も殺している、と。 「なーに見てんだよガキ、状況も飲み込めねぇのか」 退屈そうに呟くと男は指を鳴らし始める。 その言葉を聞いた男、泉新一は吹き返したように息をした。 止まっていた、目の前の男に気付いてから彼の時は止まっていたのだ。 視界に捉えた瞬間から襲いかかったのは恐怖、その領域は生物が本能的に察知する。 この男から感じる恐怖はまるで寄生の――。 「おいおい、こっちはよぉ。ったく……有り得ねぇ」 泉新一が言葉を紡げない中、対する男は独り言のように言葉を吐く。 「なんだこの身体は? 水銀の糞野郎も満足して逝っちまったんじゃねぇのか、メルクリウス。 だったら俺は可怪しいよなぁ、【なんで俺はこんな事になってんだ】。しかもアサシン、何だコイツぁ」 水銀、メルクリウス。聞こえてくるのは恐らく固有名詞の類。 しかしそれらの断片は流れて行き、身体に刻まれる情報は無い。 鼓動が早い、本能が告げている、逃げろ、と。ならば――。 「お前は……誰だ」 不思議だ。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 慣れた。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 慣れてしまった。 今は冷静になっている、心が、心臓が。危険な状況でも落ち着き始めた。 「んなことも解んねぇのかよぉ、見れば解んだろ」 問に正答を送るワケでも無く、男は邪悪な笑みを一瞬浮かべると再度言葉を吐く。 「ガキ、俺はお前なんてどうでもいい。死んだって困らねぇんだよ。 マスターなんていらねぇ、俺に首輪を嵌めるたぁテメェ如きじゃ無理だ。 此処で遊ぶのも悪くはねぇけどよぉ。裏で語り部気取ってる奴が気に入らねえ」 男の表情から怒りを感じる。 しかしそれは野蛮な物ではなく、ある程度諦めているような、受け入れてる部類。 心当たりでもあるのだろうか。この男は何を言いたいんだ、全く解らない。 「お前は何なんだ……?」 「俺かぁ? 知りたいんなら黙って教科書でも読んで来いよ英霊様の御前だぞッてァ!」 世界は思ったよりも未知に溢れている。 その未知に触れると新しい道が広がる、迷惑な話だ。 現に目の前の男の蹴りを腹に受けた泉新一は後方に飛ばされ汚く転がった。 受け身も取れずに転がる泉新一は適当な所で立ち上がり男を見る。 不意を突かれた一撃は躱せなかった、不意じゃなくても躱せるか怪しい。 呼吸を整えながら男を見つめる、視界から外せば此方が死ぬ。 「これでちったぁ目、覚したか? 俺が目の前に立ってんのに黙ってたからよォ、目覚まし代わりの一発だ」 男の発言で気付く。【最初からこの男は近くに立っていた】のだ、と。 其れは突然の出来事で脳が働かなかったのか。本能が認識する事を避けた結果なのか。 何方にせよ気付かなかった方が幸せだったのだろう。出会い頭に蹴りを入れる男だ。 マトモな生物じゃあない、関われば関わる程自分の身が危険になっていく。 生物。 この男は同じ人間だろうか。その見た目は人間と変わらない。 だが見た目は同じでも中身が違えばそれは異形の怪物だ。 泉新一は知っている。 人間社会に潜む、器に寄生している生物を彼は知っている。 しかし目の前の男からは無機質を感じないのだ。彼が知っている闇とは違う。 男はまだ感情があるように振舞っている、ならば。 「――サーヴァント、か」 「気に喰わねぇんだ、ソレ」 聖杯戦争の情報が脳に響き始めた。そうだ、泉新一、彼は聖杯戦争に参加した。 それは真意か本意か不本意か。本人にしか解らない。 戦争は一人で行わず、従者が存在する。 「じゃあお前が俺の……」 「気に喰わねぇって言ってんだろガキィ」 サーヴァントなのか。言葉を言い終える前に泉新一は外に出ていた。 彼がいたのは廃墟の内部、気付けば男に胸倉を捕まれ放り投げられていた。 片手で青年を放り投げる腕力は人間の領域では不可能だ、これで決定だろう。 目の前の男は相棒【パートナー】だ。 望んで参加しているワケではない戦争に選ばれた相棒は社会に適合出来ない獣。 黙って檻に入るなり自然に帰るなり……愚痴を零したくなる。 泉新一は着地と共に迫ってくる男の拳を左腕を使い軌道を逸らす。 そのまま腹に膝蹴りを放つも男は軽々と掌で受け止めた。 「喧嘩はしたことあんのか、でもよ……退屈だぜ」 男は掌に少し力を加える。泉新一の顔には苦痛の表情が浮かび上がった。 粉砕だ。彼の膝が粉砕せんと壓力を掛けられている。 「ッあああああああああああああああああああ」 叫びと共に渾身の力を振るい足を大地に突き刺すように降ろす。之により男の掌から解放。 そのまま勢いに任せ右腕の一撃を男の顔面へ、動作に隙も無ければ迷いも誤差も無い。 本能から繰り出された一撃は相手に悟られること無く吸い込まれ――。 「もうちっと樂しませてくれやァ!」 待ち構えていたのは顔面ではなく繰り出された拳。 不意を突いた一撃と確信していたが、男は一撃に合せ拳を重ねてきた。 本能による一撃ならばより獣に近い相手の方が上手。珠戦闘における経験では泉新一よりも男が上回っているのだ。 泉新一と男の拳、互いに衝突し鬩ぎ合う、事もなく泉新一が押し負け数歩後退する。 弾かれたように鑪を踏みながらも体勢を整えようと踏ん張るが男は刹那も待つつもりはない。 踏み込み何て要らない、力任せに再度拳を放つ。 「――あァ?」 風が舞う、屋外に自然とは別の異質な風が男の白貌を掠り取る。 この場には泉新一と男しか存在しなく彼らを邪魔する者など本来登場することは有り得ない。 ありきたりの筋書きに現れるは役者だ、それも特殊で特異な右腕。 『何をしているんだシンイチ』 名をミギ―。 泉新一の右腕に寄生した虐殺器官《パラサイト》。 その姿を異形で鋭利な刃物に変貌させ男のサングラスを削ぎ落した。 「カハッ、クク、そうかい。人間じゃねぇってか? 俺を下僕にすんだ、隠してんモン全部吐きだせやァ!」 ミギ―に落とされたサングラスを自ら踏みつけ笑う男。 その笑い声に品など欠片も持ち併せず与える印象は不快そのもの。 『シンイチ、私にも聖杯戦争の概要の知識がある。つまりあの男が君のサーヴァントか』 「ああ……信じられないけど、な」 『解っているとは思うが君はあのサーヴァントには勝てない。規格外の存在だぞ』 「解っている、こんな状況でも心は落ち着く」 冷静さはある。だが全てが事態に追いついているかと言えば嘘になってしまう。 結果としてこの状況に対する打開策など見つからず、そもそも打開など出来るのか。 圧倒的自力の差、サーヴァントは人間に太刀打ち出来る存在では無いのだ。 無論、右腕に寄生生物を宿している泉新一でさえ目の前の男には遠く及ばない。 戦うだけ無駄だ、勝ち目など最初から存在していない。勝利へ辿り着く因子が不足している。 それに泉新一と男は主従の関係だ。命を殺り合う関係ではなく味方。 仲良しごっこで手を取り合う方がまだ好ましい。 「此処は城じゃねぇ、転生だの何だのあるだろうが俺にはどうでもいいんだ。 テメェの右腕がキモかろうと、テメェ自身が怪物でも関係ねえ。 でもよぉ……俺をこんな場所に招いたんなら樂しませろ。せめてもの、って奴だ」 男は言葉から察するに快楽を求めているらしい。その部類は自己満足、推定するに戦闘だろうか。 彼が言う城とは不明だがサーヴァントとして限界しているには不服があるようだ。 願いを叶える機会だと言うのに。 「……願いが、叶う?」 泉新一の脳内に齟齬が発生する。言葉と記憶と情報が反発しあう。 願いが叶う、紅い月、聖杯戦争。そうか、俺は参加していて権利を持っている。 『シンイチ、まさかとは思うが君は信じているのか?』 「い、いや。そんなワケ」 「目が泳いでるぞガキ、テメェの腹ン中にァ野心とか野望ってモンが無えのか?」 『耳を貸す必要は無いぞ、馬鹿な事は考えるな』 「俺は願いっつーか、まぁあるって事にしとくか。ソレを果たすのは俺自身だ、聖杯なんぞの出番何かありゃしねえ」 男は放つ。願いは己の手で掴み取る事象だと。 本来言葉に着飾らない彼だがその発言は英霊の志に近い。 多くの人間を殺してきた彼だが戦闘においては彼なりの美学と呼べばいいだろうか。 仲間意識も強く礼も辨えているのだ、之に関してならば彼は英霊の座に居座るだろう。 「シュライバー……テメェに言っても解ンねぇと思うけどよ、こうして存在してんだ。 ならさっさと終わらせて俺は俺のケリを付けて来る。もう一度何てくだらねぇ戯言じゃねぇ。 あの時俺は勝った、けどアイツは生きていて死んだ。だが、俺は英奴に、アイツも、だ。つまり」 男は紡ぐ。 彼は昔、シュライバーと呼ばれる気に喰わない奴が居た。 何処か似た匂いを発しその境遇も互いに血と狂気が漂う最終列車の塵箱。 底辺に溜まる社会の輪に馴染めない屍は互いを憎き殺すべき対象と見なしていた。 その狩りは他者の介入より中断、屍は黄金の獣に魅入りその忠誠を誓う。 しかし問題があった。 男の宿敵は白騎士《アルベド》の称号を手にした。男ではなく。 その力は男だって認めている、だが称号に釣り合うかは別の話であり、譲れない物がある。 幾つかの年月が過ぎた時、彼は黄金の獣に許しを受け、黒と赤の騎士から言葉を受けとり白騎士の座を争った。 その先に待っていたのは――なにも今此処で男の生前を解説しても意味は無いだろう。 泉新一に伝わるわけでもなく、彼には正直の所、男の過去などどうでもいいのだ。 事実ミギ―は男の背後から斬り掛かっていた。 「つまり、だ。俺は別に遊んでもいいけどよぉ、チンタラしてる暇は無いってワケだ。 だからよォ、テメェが俺のマスターなら足を引っ張んな。癪だがテメェが死ねば俺も消えンだよ」 『――ッ!』 背後の攻撃を振り向く事無く掴み取る男。 そのまま力を強め握り潰さんと威嚇地味た行為をする。 泉新一は走りだす。ミギ―が殺されてしまう。ならば。 廃墟の欠片を握り締め男に振るう、素手で殴るよりも数倍マシだろう。 「頭使うってのは評価してやるよ」 「う、あぁ!」 男は掴んだ右腕を振り回す。 右腕はミギ―である。しかしミギ―は泉新一の右腕である。 彼らは男の片手一つに振り回され宙を泳ぐ。止める術など無く――。 「ぐ――ッ!!」 大地に轟くは泉新一の着地音、着地の表現など生温く落下と言っても差し支えない。 痛みに表情を歪めるが黙って寝ている訳にもいかないため立ち上がる。 「俺は聖杯戦争なんて知らない、こんな所に居る必要はない!」 「だったらテメェはどうやって帰るつもりだ。 電車か? 徒歩か? 迎えでも呼ぶのか? あァ? 此処はテメェ等の東洋の島国だろ?」 『シンイチ、挑発に乗るな。今から私があの男に攻撃を加える。 その間君は少しずつ後退するんだ。そして私が合図をしたら全力で走れ、此処から離脱する』 「お前らみたいな寄生生物を俺は許さない……! お前は彼奴等と同じだ、人を殺す事に感情を持たない彼奴等とォ!!」 『シンイチ! 吠えても何も起きない』 「ガキ、テメェは思ったよりも早く死にてぇらしいな。少し眠ってろ」 その時泉新一は奇妙な事象を目撃した。 紅い月を見てから全てが奇妙だがこの瞬間は最大風速を更新する。 血だ。血の匂いが強烈に男から発せられる。 彼の身体の表面を塗り上げるように血生臭く、いや、之は血だろうか? 血に似た何かかも知れない。しかし重要な問題ではなく、男の行動事態が危険であることに変わりはない。 「ただの人間相手のタイマンにこれ使う何て普通は在り得ねえからな。 テメェの魂、俺が吸うに値したワケじゃねぇぞ。 聖杯戦争って奴を過ごす相棒になんだろ? だったら少しだけ見せてやる、涙流しとけよクソガキィッ!!」 血、血、血。 空気が軋む。 男から発せられる血の匂い、関わりたくない程の狂気。 滲み出る其れ等は生物の総てを嫌悪させ、黒い血が――爆裂するように跳ね上がった。 「これは……寄生生物?」 『いや違うぞ。私達の同類ではない。だが男の右腕の血は生きている、のか?』 人体から生えたソレは杭の形をした奇形の植物とでも呼ぼうか。 しかし葉もなければ花もなく、実もなければ樹木もなく、勿論根も存在しない。 その植物に必要なのは水でも養分でも日光でもない。 血だ。悍ましい程の狂気に彩られた黒い血、それが男の殺意の具現である牙。 「ミギ―、出来るか?」 『出来なければ死ぬ。私も君も此処で死ぬだけだ。それは望んでいないだろ?』 「お前……ごめん、な」 「どうよガキ、感想は?」 「最高に気分が悪い」 「そっちの右腕は」 『興味深いと思う。しかし近寄りたくはないな』 「そうかいそうかい、なら――」 男が何かを仕掛ける。 右腕に生えた杭を飛び道具のように泉新一へ放つ。 対処しようとするもどう防げばいいのか。しかしそんな事を考える刹那など無く。 「ッ!!」 【気付けば杭が足と大地を繋ぐように刺さっていた】 その動きを泉新一とミギ―は視界に捉えていたが反応するまでもなく攻撃を喰らった。 ミギ―は弾き返そうと行動をするも杭はその動作よりも速く泉新一の足を貫いた。 『大丈夫かシンイチ!』 安否の声に黙って首を振る。痛くないと言えば嘘になる。 だが弱音を吐いた所で目の前の男が収まることは無いだろう。 従者ならば主に従って欲しいのだが生憎野蛮な獣を引き当てたらしい。 愚痴の一つや二つ、零したくなるが言葉が出て来ない。気力が吸われるかの如く意識が遠のいて行く。 薄らと見える男の周りは更に異形と化していた。 男を中心に大地や廃棄物、コンクリート。総てが消えて行く。 その現象は枯渇。男に生えた杭は総てを吸い尽くす邪悪の樹。 名を闇の賜物《クリフォト・バチカル》英霊として派生された世界で語り継がれるヴラド三世の結晶化した血液。 吸血鬼伝説を語る代名詞の血はその性質も吸血鬼のように総てを吸い尽くす邪悪の樹。 泉新一の足に刺さっている杭も例外なく同一の存在であり彼の生気を吸い付くさんと吸収している。 「ミ、ミギ―……コイツを頼む」 気絶寸前にまで追い込まれている泉新一は右腕に声を掛ける。 この杭が犯人ならば。除外すれば彼は何一つ吸われないで済むだろう。 無論一度開いた穴。杭を除外すれば大量の血が流れることになるだろうが構っている場合ではない。 「カハッ! まだ意識あンのか、少しは骨見せてくれるじゃねぇか。 いいぜ、鞘替えは待ってやるよ。テメェが目を覚ましたらそっからはお樂しみの聖杯戦争だ。 お前が何を願うかは自由だけどよォ、俺の邪魔だけはするな。したらテメェの存在ごと消すぞ」 男は泉新一を生かすらしい。そもそも彼が死ねばサーヴァントである男も消えるためその行動を実行することは不可能に近い。 【しかし男には例外のルールがあるのは別の話】 認める段階まではいかないがそのタフさは少しだけ評価してやる。そう言い放った。 『今から杭を抜く、踏ん張れよシンイチ』 ミギ―は身体を延ばし杭を抜かんと触れる。 『私まで吸おうと言うのか……ッ』 杭が総てを吸い尽くすならば。寄生生物であるミギ―も例外ではない。 時間を掛ければ掛けるだけ泉新一とミギ―の生気は杭に吸われ尽くされ男の糧となる。 「お前は……何がしたいんだ」 「決まってんだろ、勝つんだよ」 「勝つ……? そのためなら人間を殺したっていいのかよ、なぁ!? 何が聖杯戦争だ、どうせお前らみたいな糞野郎共を満足させるためだけのくだらない宴なんだろ!」 泉新一の言葉は八つ当たりに近い。 何故自分だけ毎回面倒事に巻き込まれるのか。平穏な世界から離れるのか。 右腕も、クラスメイトも、母親も、あの子も、人間も、全部、全部、どうして離れていくのか。 自分が何をしたんだ、何がいけない、この状況を招いたのは自分じゃない。 見ているか聖杯。お前に願いを叶える力があるなら応えてみせろ。 「紅い月を見た奴は月に招かれて願いが叶うんだろ!? ならやってみろよ! 此処は月、あの時俺が目撃した紅い月なら! 今すぐ俺を開放して、総てを元に戻して帰ろせろォ!!」 魂の叫び。 何一つ飾っていない本心からの叫び。 聖杯が願いを叶える願望器ならば総てを元に戻せ。 この身体も、母親も、日常も、何もかも総てを。 ミギ―との別れに感情を抱かないと言ったら嘘になる、それでも。 「クク、ハハハハハハハハ!!」 聖杯は何一つ応えるこなく、変わりに答えるは男の笑い声。 面白い事があったのだろうか。泉新一の叫びにコメディなど欠片も無い筈だが。 男は笑う、これ程笑う必要が在るのか。そう思える程に。 「ガキ、テメェは今【紅い月】って言ったよな? 【紅い月】って言ったよな」 男は笑いを終えると挑発するように尋ねる、紅い月、と。 泉新一は何が面白いか理解出来ない、しかし紅い月は事実であり彼は月を見てからこの場に招かれた。 否定出来ない事実であり無言で首を縦に振る。この時ミギ―が足に刺さっていた杭を抜き彼らは平常に戻る。 「真ん丸輝く御月様が願いを叶えるってかァ! コイツは傑作だ、あぁ、やべぇな、おい。 いいねぇ、俺の夜はまだ終わらないってことか。こんなくだらねぇ場所に呼ばれた時はクソと思ったけどよォ。 その言い伝え……それに英霊ってのは考えりゃワケの解かんねえ奴もゴロゴロ居んだろ? ガキ、テメェの命は更に伸びた」 男は返答も待たずに勝手に独り、まるで歓喜に浸るように空を仰ぐ。 聖杯戦争を。彼の発言で表わすならば樂しむ事に決めたのだろうか。 しかし長引くことは泉新一にとっては迷惑以外の何者でも無く、願い下げである。 「いいぜ、だったら見せてやる。 出血大サービスって奴だガキ。涙流して感激しろよ、なぁ」 テメェが今から見る夜は俺だけの夜、カズィクル・ベイの――夜だ」 そう呟いた男――カズィクル・ベイから杭の時と同じように感じたくもない空気が発せられる。 その言葉の真意は不明、吐き終えると同時に静かになったのが印象に残る。まるで嵐の前兆だ。 「コイツ、狂ってる……何を言ってるんだ」 『今更かシンイチ、だがどうする。君の命は伸びたらしいがあのベイと名乗った男は何かするぞ』 命を伸ばす、この発言を捉えるならば死なない事と同意義だろうか。 少なくともベイが聖杯戦争を樂しむならば魔力の供給源となる泉新一を殺す事はないだろう。 「お前、何をするつもりだ」 「言ったろ、俺だけの夜を見せてやるって。ただの人間風情が俺の気まぐれとはいえ薔薇の夜を拝めるんだ、死ぬまで持ってけ」 『――! シンイチ、その男から離れろ!』 泉新一が答えを聞くよりも速く。 ミギ―が移動を促すよりも速く。 カズィクル・ベイはこの世界を己の夜に塗り潰す。 「遅え―― ――月が紅い理由―― ――教えてやるよ」 総てが遅く、総てが運悪く、総てが因果の元へ。 ベイから放たれる殺気は鬼の如く、泉新一がこれまで相手にしてきた総ての虐殺器官を凌駕する。 そしてこれから紡がれる言葉は夜に羽ばたく悪への階段。 「Wo war ich schon einmal und war so selig かつてどこかでこれほど幸福だったことがあるだろうか」 聞こえる言葉はドイツの物、泉新一には聞き慣れない言葉だ。 その意味を理解することは彼に出来ない、出来ることはただ聞くだけ。 気になるとすれば【月が紅いワケ】だ。ベイは今から何を行うと言うのか。 ミギ―は逃げろと言った。その言葉は解る。此処は危険だ。しかし。何故だろう――足が動かない。 「Wie du warst! Wie du bist! Das weis niemand,das ahnt keiner! あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」 気のせいだろうか。 疲れの影響からか一瞬だけ。ほんの一瞬だけ夜が暗く見えた。 夜だから暗いの当たり前だ、それを差し引いても泉新一の瞳には夜が深く見えた。 「Ich war ein Bub . da hab ich die noch nicht gekannt. 幼い私はまだあなたを知らなかった Wer bin denn ich? Wie komm denn ich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir? いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう War ich kein Mann,die Sinne mochten mir vergeh n. もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい Das ist ein seliger Augenblick,den will ich nie vergessen bis an meinen Tod. 何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても決して忘れはしないだろうから」 泉新一は黙ってカズィクル・ベイの謡を聞く。 思考を停止している訳ではない。 『シンイチ! 聞こえているのか、シンイチ!』 しかしミギ―の声は彼の耳には届かない。総てが遠く感じるのだ。 その答えは簡単だ。この夜はあの杭と同じく総てを吸い尽くす闇の夜だから。 この夜の主役はカズィクル・ベイだ。 聖杯戦争だろうがこの夜の時だけ、彼以外の存在は総て脇役に成り下がる。 之が世界、彼が望む深淵の闇、憧れ、己が法で世界を塗り潰さんと溢れ出る渇望。 「Sophie,Welken Sie ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ Show a Corpse 死骸を晒せ」 更に夜が深くなる。 鼓動する夜気、揺らめく闇夜。 総てを包み込む夜から感じるのは暖かい光ではなく冷たい闇。 「Es ist was kommen und ist was g schenn,ich mocht Sie fragen 何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい Darf s denn sein? ich mocht sie fragen warum zittert was in mir? 本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか Sophie,und seh nur dich und spur nur dich 恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう Sophie,und weis von nichts als nur dich hab ich lieb 私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」 言葉が進む度に夜が深くなる。 泉新一は思う、之はゲームや漫画で言う所の詠唱なのだろう。 ならば終わる前に止めたいが、既に彼の力は先程の杭に吸い尽くされている。 黙ってベイの夜が訪れるのを待つしか出来ないのだ。 だがミギ―はまだ動ける。 この状況でベイを放置するのは危険過ぎる。 その触手を刃物に変え彼の首を斬り落とさんと猛威に動き始める。 「Sophie, Welken Sie ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ」 ――もう終わるから黙ってろや。 ベイは刃を掌で抑えこむと最後の言葉を紡ぐ。 「Briah――Der Rosenkavalier Schwarzwald 創造――死森の薔薇騎士」 紡がれた呪言は世界を奈落へと誘う彼の叫び。 夜に夜を重ねる世界で誰も感じたことのない深淵。 総てが軋む、歪み、吸い尽くされ主たるベイを祝福する。 『遅かったか……』 「ククク、ハハハハハハハハハハハ! どうだコイツが俺の世界、総てを吸い尽くす薔薇の夜だ」 之が世界、総てを吸い尽くすのが世界の理と成り果てたベイの渇望。 夜が主役、夜に英雄となる吸血鬼、その力を今此処に具現化した。 夜を更に夜で重ねた闇、不快の塊である世界が総てを包み込む。 呆気に取られる泉新一、総てが規格外過ぎる。 戦力も、理も、世界も。どれも人間や寄生生物にさえ出来ない技だ。 之がサーヴァント、カズィクル・ベイの能力だと言うのか。 「感激して声も出ねぇのか? なら上を見てみろよ、なぁ――アレ、何だか解るか?」 ベイに促されるまま泉新一は空を見上げる。そして世界の闇を垣間見るのだ。 之は何だ、何だ、何だ。何がどうなっている。 総てを吸い尽くす薔薇の夜。ならば空に浮かび上がるアレは何だ。誰か説明してくれ。 聖杯戦争――招かれた嘘か本当か解らない謎の宴。正直な話、信じる方が難しい。 それでも願いを叶える権利は魅力的であり、日常を懐かしむ泉新一にとっては唯一無二の機会だった。 他人を殺す事など、人間を殺す事など彼には出来ない。それでも夢を見るに値する。 「あ、あぁ……ああああああああああああああああああああああ」 叫ぶ泉新一、笑うカズィクル・ベイ。 この夜の主役は主である人間ではない。支配するカズィクル・ベイだ。 故に総てがベイのために動いており、この状況でさえ薔薇の夜は泉新一とミギ―の総てを吸っている。 其処に追い打ちを掛けるように空で笑う月が一つ。紅く染め上げ夜を彩る月が一つ。 「どうだ、ガキ。テメェが言ってた紅い月だぜ? 感動して叫ぶことしか出来ねえのか? ってああ、そうだそうだ。お前さっき言ったよな? 紅い月が願いを叶えてくれるって。 で、どうだ? 叶ったか? テメェの願いは叶ったか? なぁ教えてくれよォ。気になんだよ。 なァマスター、聞こえってっか? 紅い月は願いを叶えて――ハハッ、アハハハハハハハハハハハ!!」 空に浮かぶは紅い月。都市伝説の紅い月。総てを叶える紅い月。 この月は誰が用意した。男だ。この男だ。カズィクル・ベイだ。 ベイは願いを叶えるのか。到底思えない。なら誰が願いを叶えるのか。それが聖杯。 ならば聖杯とは何だ。誰か教えてくれ。俺の希望を砕かないでくれ。助けてくれミギ―。俺はどうしたらいい。 誰も泉新一の問に答える事は無く、ミギ―もただ無言で状況を受け入れるしかなかった。 闇に響くは主であるカズィクル・ベイの笑い声。 主以外の総ての存在が絶望する中、泉新一の聖杯戦争が始まった。 【マスター】 泉新一@寄生獣 【マスターとしての願い】 ―― 【weapon】 ―― 【能力・技能】 右腕にミギ―と呼ぶ寄生生物を宿している。姿を鋭利な刃物に変質させ総てを斬り裂く。 また寄生された影響からか泉新一の身体能力はオリンピック選手を遥かに凌駕する。 【人物背景】 普通の学生だった彼はある日寄生生物が自分の右腕に侵入したことに気付き必死で抵抗を行った。 夢だと思っていが現実であり彼の右腕は寄生生物と同一となり名をミギ―として不本意ながら相棒となった。 生活していく中で世の中に寄生生物が潜んでいる闇を体験していき彼自身もまた戦闘に巻き込まれる。 その中で人間が死んで行き彼の母親も寄生生物に殺され、彼の心は深く、深く閉ざされていくことになる。 【方針】 ―― 【クラス】 アサシン 【真名】 ヴィルヘルム・エーレンブルク@Dies irae -Acta est Fabula- 【パラメーター】 筋力B 耐久B 敏捷C 魔力C+ 幸運E- 宝具A+ 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。 【保有スキル】 エイヴィヒカイト:A 人の魂を糧に強大な力を得る超人錬成法をその身に施した存在。 本来ならばこの存在を殺せるのは聖遺物の攻撃のみだが聖杯戦争では宝具となっており、彼を殺すには宝具の一撃が必要となる。 また、喰った魂の数だけ命の再生能力があるが制限されており、魔力消費を伴う超再生としてスキルに反映された。 A段階に達すると己の渇望で世界を創造する域となる。 直感:B つねに自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 戦闘続行:A 呪い:A ある人物から彼の二つ名である魔名と共に送られたもの。 その内容は「望んだ相手を取り逃がす」 本人が望めば望むほど、その相手は横槍などにより理不尽に奪われていく。 【宝具】 『闇の賜物(クリフォト・バチカル)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:1 エイヴィヒカイトの第二位階「形成」に届いた者にしか具現化出来ない物 彼の其れは『串刺公(カズィクル・ベイ)』の異名を持つワラキア領主、ヴラド三世の結晶化した血液が素体。 能力は 「血液にも似た赤黒い色の杭を全身から発生させる」。 この杭は、突き刺した対象の魂や血を吸収し、所有者に還元する効力を持っている。 飛び道具、武具、空中での移動など様々な用途に応用出来る。 この聖遺物との親和性は他のエイヴィヒカイトとは群を抜いている。 クリフォトとはカバラの『生命の樹』と対をなす『邪悪の樹』の名であり、バチカルはその最下層を示す。 『死森の薔薇騎士(ローゼンカヴァリエ・シュヴァルツヴァルド)』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000 エイヴィヒカイトの第三位階、自身の渇望の具現たる「創造」能力。 元となった渇望は 「夜に無敵となる吸血鬼になりたい 」 。発現した能力は「術者を吸血鬼に変えて、周囲の空間を夜へと染め上げ、効果範囲内に存在する人間から力を吸い取る」こと。 渇望通り、吸血鬼と化して人間から精気を吸い上げる能力である。 発動すると周囲一帯が固有結界に似た空間に取り込まれ、例え昼であっても強制的に夜へと変わる。もっとも、夜時間帯に重ねがけした方が効力は格段に上がる。 この「夜」に居る人間は全て例外なく生命力をはじめとした力を吸い取られ、奪われた力の分、 この空間の主である吸い尽くした力を己の糧とし、それを抜いても己のを強化する。また、夜空には紅い月が浮かび上がる。 相手を弱体化させ己を強化し続ける卑怯な理だが弱点として【吸血鬼の弱点ソノモノが彼の弱点となる】 『???』 ランク:? 種別:? レンジ:? 最大捕捉:? 彼の中に眠るナニカ。性別、数――総てが不明。 【人物背景】 聖槍十三騎士団第四位、ヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイ。白髪白面のアルビノの男。 その体は日光を始めとした光全般に弱く昼はほとんど出歩かないが、逆に夜の間には感覚が鋭敏になるという吸血鬼じみた体質を持ち、 それを自らのアイデンティティとしている。戦闘狂であり彼の歩んできた道には屍の山が築かれている。 元は貧困街の出身であり父と姉の近親相姦で生まれ、「自分のちが汚れているならば取り替えればいい」と感じる。 その後彼は親を殺しこれまでの人生とは別に暴力に溢れた生活を送るようになる。 其処で遭遇したのが白き狂犬、其処で出会ったのが黄金の獣。そして彼の人生は世界の因子に成り得る奇妙な物語に巻き込まれる。 なお、仲間意識は強く同じ騎士団の仲間を家族のように思っている。 【願い】 樂しんで城へ帰還する。
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【名前】 虹村刑兆@ジョジョの奇妙な冒険 【参加方法】 DIOの手記や都市伝説より聖杯戦争とサイレンドリフトのことを調べ望んで参戦。 【マスターとしての願い】 DIOの影響で怪物となってしまった父親に尊厳ある死を与えてやりたい。 【能力・技能】 いわゆる超能力者、スタンド使い。群体型のスタンドであるバッド・カンパニーを有する。スタンドエネルギーを魔力の代替として供給可能であり、持続力は高いのでそこそこ優秀なマスター。 本来スタンドはスタンドでしか干渉できず、スタンド使いにしか視認できないが、幽霊に近い精神のヴィジョンであるため、英霊とパスをつないだマスターやいわゆる霊能者ならば視認可能。同様に高い神秘を持つならばスタンドへの攻撃も可能である。 肉体的には長身で相応に逞しい。男子高校生を引きずって二階まで即座に上るだけの体力はある。 また長年『弓と矢』を用いてきたため、中距離における弓術はなかなかのもの。 【weapon】 スタンド名・バッド・カンパニー 破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:C 歩兵60名、戦車7台、戦闘ヘリアパッチ4機からなる軍隊のスタンド。 サイズはミニチュアだが威力はまともに当たれば手足は吹き飛ぶ破壊力。 群体型のスタンドであるため、歩兵の数体程度ならつぶされても本体への影響はほぼない。 地雷の設置、ミサイルなど装備も戦力も本物の軍隊さながら。 おそらく軍略スキルの影響を受けると考えられる。 群体系のスタンド保持者は精神的な欠落を抱えており、刑兆は目的のために手段を選ばず、また家族の愛に飢えている節がある。 【人物背景】 S市杜王町に住む男子高校生。家族構成は父親と弟1人。 幼少期、父親は膨大な借金を抱えており母親も病で帰らぬ人となっていた。 そのさみしさか金のためか、父親は世界を掌握しようとした吸血鬼DIOの手下となっており、吸血鬼の体細胞を埋め込まれていた。DIOの死後にその細胞が暴走、一年足らずで息子のこともわからない怪物になってしまう。 刑兆は父の遺産を使い10年かけてすべてを調べ上げた。「スタンド」のこと、「DIO」のこと、「DIOを倒した男」のこと、スタンドを目覚めさせる「弓と矢」のこと。 そして父親がもはやどうしようもない状態になってしまったことを確信し、父のためにも殺害を決意。 自身と弟もスタンド能力に目覚め殺害を試みるも失敗。協力者を作ろうと町民含む多くの人物を「弓と矢」で射抜き、スタンドに目覚めさせたり殺害したりする。 スタンド能力については調査を続け、凶悪な犯罪者ほど目覚める強い魂を持ち、能力に目覚める可能性が高いことをDIOの手記より知る。それは何かの下書きらしく『天国へ至る方法』の候補がいくつ書かれており、採用案は破り取られていたようだが選択肢の一つとして願望器、聖杯のことと失われた未来、サイレンのことが記されていた。 神の敵である吸血鬼の呪いをこえるため、聖遺物を手にして目的を果たすために参戦を決意。 【方針】 聖杯で願いをかなえるつもりだったが、ライダーの言葉にあるようにおやじを殺せる能力者なら同盟を組んでの生還も視野に入れる。 治す能力者の場合は保留。 打って出るよりもナワバリにこもってバッド・カンパニーによる暗殺の方が戦術的には好みだが、軍略に精通したライダーの意見をないがしろにするつもりはなく、それなりに動くつもり。
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キャラシート【としあきの聖杯戦争TRPG】 マスター 【名前】フィム・ノアール 【容姿】白髪ロングのお姉さん 今日は休暇で来たらしい 【願い事】強いて言うなら、金が欲しい 【バッドエンド】略 【グッドエンド】略 【令呪】 0 / 0 【HP】 15 / 15 【筋力】E:1 【耐久】C:3 【敏捷】E:1 【魔力】C:3 【幸運】D:2 【スキル1】結界魔術:自分のサーヴァントの最大HPを15増やす。 【スキル2】援護射撃(物理):自分のサーヴァントの物理攻撃時、補正値3を与える。 【スキル3】援護射撃(魔術):自分のサーヴァントの魔術攻撃時、補正値3を与える。 【その他】混沌・中庸 泥 名前 フィム・ノアール 誕生日・年齢 7月7日・「女性の年齢をむやみに聞くものじゃないな」 身長・体重 168cm・「体重もまた然りだ」 血液型 B型 好きなもの 甘味・青春ドラマ 苦手なもの 『過去』 特技 スナイピング 起源 流雲 属性 混沌・中庸 魔術属性 空 魔術系統 黒魔術 魔術特性 呪 魔術回路 質:A/量:C/ 編成:普通 【設定】 白く長い髪が印象的な美人女性。 かつて、裏社会にて用心棒を生業としていた過去を持つ魔術使いであり、黒魔術と大小さまざまな銃火器を駆使した射撃戦法で戦う。 現在は裏社会から足を洗い、「黒井映子」という偽名にて、かつてともに仕事を行っていた「山村 累助」の下で家政婦として働いている。 裏社会とは勝手の違う生活に、未だに苦労しているらしいが、なんだかんだで楽しい日々を送っているらしい。 裏社会の頃のことを詮索されることを非常に嫌がり、この事を聞こうものならもれなく蜂の巣にされるので注意。 +・・・ マスター 【名前】フィム・ノアール 【容姿】白髪ロングのお姉さん 【願い事】「山村零音」の居場所を知る 【バッドエンド】略 【グッドエンド】略 【令呪】 3 / 3 【HP】 20 / 20 【筋力】E:1 【耐久】B:4 【敏捷】B:4 【魔力】A:5 【幸運】E:1 【スキル1】混血:英雄点5を得る。サーヴァントに対し、通常のダメージを与える。 【スキル2】魔術戦専用ライフル:魔術攻撃時、補正値5を得る。 【奥義】『紅光赤血の朱色魔弾』:魔術攻撃時、補正値10を得る。 【その他】混沌・中庸 混血 実は彼女こそ山村累助の妻であり、零音の母、佐那子&北雄の祖母にあたる人物「山村香夜」その人。 西洋に存在する、日本の「鬼」と同種の魔族の血を受け継ぐ、いわゆる「混血」であり、そのため彼女の一族は常人の数倍の寿命を持っている。実年齢は90歳後半だが、肉体年齢にはほぼ三十路と同等。(あれ、じゃあ精神年齢は?) 寿命をごまかすために、裏社会を転々としていた所もあり、現在、家政婦として山村家に住んでいるのも、怪しまれないようするための方便だったりする。 とある街の聖杯戦争に参加し優勝。聖杯の願いはともに戦ってくれたとある「子を想う母親」のために使用し、自身は息子である零音の居所を監督役より聞き出し、去っていった。 『紅光赤血の朱色魔弾』 自身の総血液の30%を体から抜き出し、圧縮凝固させて1発の弾丸へと形作ったもの。 専用の魔術ライフルで相手に打ち込むことで、物理的ダメージはもとより、対象の魔力と弾丸の魔力で凝固反応を起こさせ、無力化させることができる。 この魔弾は、彼女にとっての『切り札』であるらしく、裏稼業時代でも使用したのは稀だったとのこと。
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【ルール】 版権キャラによる聖杯戦争を行うリレー小説です。 参加者の内、マスターは必ず少女でなければなりません。 【設定】 舞台はとある架空の街です。 マップの外も街や海が続いていますが、透明な壁に阻まれて脱出することは出来ません。 後述するNPCは壁の存在には気づいていませんし、平然と脱出することが出来ます。 参加者である少女たちは、この街で過ごすことに矛盾がないように偽の記憶を植え付けられて、同日同時間に、皆この街へとやってくる運びとなりました。 一般的なパロロワにおける、気が付くとOP会場にいた感じをイメージしていただければ幸いです。 少女たちは、何らかの切っ掛けで、あるいは何の前触れもなく、自分はこの街の住人ではないという真実の記憶を取り戻します。 そして、身体の何処かに三画の令呪が刻まれ、少女聖杯戦争参加の運びとなります。 同時に、少女は聖杯戦争に関する知識を手に入れます。 少女達が記憶を取り戻すまでの猶予は一週間です、早くに記憶を取り戻せば、キャスターならば陣地を作成しておく等、本番に備えて準備をしているかもしれません。 また、本番までに記憶を取り戻した少女同士で戦いが行われている可能性があります(俗に言う一話死亡【ズガン】枠です)(ズガン枠はオリキャラ且つ少女に限ります) ルーラーから夜の0時にメールによって『通達』が行われます。 携帯電話、あるいはPCを持っていない少女に対しては、手紙、テレビ、ラジオ、モールス信号、ラブレター、ルーラーによる直接的な伝言などを用いて行われます。 架空の街内には記憶を取り戻せなかった少女達と、少女達の家族や知人を模した偽物達がNPCとして存在しています。 NPCは特殊能力やサーヴァント等を持ってはいません。 【サーヴァント】 サーヴァントは記憶を取り戻すと同時に、召喚される英霊です。 マスターは皆少女ですが、サーヴァントが少女である必要はありません。 サーヴァントがマスターを失った場合、サーヴァントは消滅します。 ただし、消滅するまでに令呪を持ったサーヴァントのいないマスターと再契約を行うことで、消滅をまのがれることが出来ます。 【マスター】 サーヴァントを失ったマスターは消滅しませんが、原作における教会のような安全地帯はありません。 それどころか、ルーラー雪華綺晶は積極的にサーヴァントを失ったマスターを殺しに行きます。 マスターが令呪を失ってもサーヴァントは消滅しませんが、サーヴァント次第では裏切っちゃおっかな―チラッチラッとなるかもしれません。 <時刻について> 未明(0~4) 早朝(4~8) 午前(8~12) 午後(12~16) 夕方(16~20) 夜(20~24) ≪状態票テンプレ≫ 【X-0/場所名/○日目 時間帯】 【名前@出典】 [状態] [令呪]残り◯画 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針: 1. 2. [備考] 【クラス(真名)@出典】 [状態] [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針: 1. 2. [備考] 【予約期限】 一週間です 【開始時刻】 早朝